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発想便 2016年2月号

2016.02,09

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□■  「創研発想便」2016/2/9 2月号

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  日本の創造性教育のパイオニア
  恩田彰先生、上野一郎先生を偲んで 高橋誠
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2015年7月21日に恩田彰先生、
12月27日に上野一郎先生がご逝去されました。
お二方とも本国における創造性教育の創始者であります。
私、高橋は大変お世話になりましたので、
お二方への追悼文を記載いたします。

◆東洋大学名誉教授 恩田彰先生を偲ぶ
1962年に東京教育大学(現・筑波大学)の心理学科に入学した私は、
「日立の樹」を作詞した大学の先輩である伊藤アキラさんの紹介で、
日本にブレインストーミングを広めた
創造性開発の日本初の団体・日本独創性協会(CTA)に入会します。
CTAの会員は学生が中心で、東京中の大学から約200人が参画し、
毎年研究大会を開催し研究誌を発刊、さらには週刊誌まで発刊していました。
この創造性に対する熱意を持った団体の学術顧問が、恩田先生でした。
恩田先生は研究大会や各種イベントに積極的に関わって下さりました。
私がCTAの委員長になった際は、
子供たちに創造性を教える「ワンパク発明学校」の企画に助言を、
また川喜田二郎先生との出会いの機会を下さるなど
創造性に関する多くのことを吸収する環境を支えていただきました。
ここで今後の私の活動の基盤を創ることができたことは間違いありません。

恩田先生とご一緒にした仕事に、
欧米の創造性研究者たちによる日本での講演の支援があります。
1978年には50年にわたり50万人以上の子供たちに
創造性テストと知能テストを実施してきた米国・ジョージア大学の
P.トーランス教授の東洋大学などでの講演をサポート致しました。
彼はそれらの研究の成果として、創造性テストの高かった子どもは、
成人してから、高い業績を上げることを証明した学者です。
1985年には米国・創造教育財団理事長、ニューヨーク州立大学教授で、
ブレインストーミングの考案者、米国の創造性研究者のまとめ役をされた
S.パーンズ氏の支援。
続く1986年には「水平思考」や「6色ハット思考」で著名な
英国・オックスフォード大学のE.デボノ博士の日本公演などのお手伝いも致しました。

1977年には米国・創造教育財団主催の「創造的問題解決大会(CPSI)」に
恩田先生と一緒に「創造性研究調査団」を編成し参加、
1979年創立の日本創造学会には、私は恩田先生と一緒に設立に参加します。
最初の事務所を公文研究会の公文公会長にお借りするお願いにも御一緒しました。
また1984年には中国から学会を創りたいとの要請を受け
「創造学交流中国訪問団」を恩田先生団長で編成、ハルピン・北京・上海などを訪問、
これが現在世界最大規模の中国創造学会を誕生させるキッカケになります。
また恩田先生監修の明治図書刊行「創造性の研究」や「創造性の教育」を執筆、
これが私の著作第1号となりました。

恩田先生とご一緒した日本創造学会での35年は、
私の創造性研究の軌跡でもあります。
恩田先生なくして、私の創造性研究は成し得ませんでした。
本当にありがとうございました。

◆産業能率大学前理事長・元学長 上野一郎先生を偲ぶ
上野先生はテイラーの科学的管理法を「能率学」と名付けた上野陽一先生の御長男です。
陽一先生が1950年に創立した産業能率短期大学の学長を1975年から22年間、
その後、短期大学を4年制の産業能率大学にし、この学長も8年間勤めていられました。
先生には「目標による管理」など多数の著作がありますが、
最も著名な訳書がオズボーンの「独創力を伸ばせ」です。
これは1958年に翻訳され、創造性の重要さを世に宣言した、
日本における創造性を語るには欠かせない重要な一冊です。
この翻訳を手伝ったのがCTAでした。
CTAの縁で上野先生と知り合い、その後、私は創造性の研究と実践を目指し、
産業能率短期大学に入職し、1969年から4年半お世話になりました。
上野先生が開発された「独創力開発コース(CTC)」の講師も務めました。
その後も、1985年にはパーンズ博士の東京の講演会を支援いただき、
2002年には日本創造学会の第24回研究大会で会長を務めていただきました。
私が1974年に30歳で独立し、我社を設立してからも、
上野先生には多大な協力を頂きました。
心より感謝いたします。

恩田先生、上野先生、長い間大変お世話になりました。
どうか安らかにおやすみください。
創造性研究と創造性教育の篝火はこれからも私たちがしっかりと受け継いでいきます。

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